雷関連

雷保護の必要性やLPS、SPMの概要など、雷に関する情報をお届けします。

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SPM概要

SPM(Surge Protection Measures ) 電気及び電子システムの雷防護

近年、電気・電子機器は基板上にICなどを搭載し、低電圧で稼働するものが増加しています。このため、過電圧に対して脆弱な傾向があり、雷などによって引き起こされる過電圧が原因で機器が破損するケースが多発しています。
電気・電子機器は建物にとって不可欠な設備であり、これらが破損すると建物の運用に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、雷防護の重要性はますます高まっています。
弊社では、SPD(Surge Protective Device)などを活用し、これらの機器を効果的に保護するための最適なソリューションを提案いたします。

SPMの構成

LPZ(雷保護ゾーン)の構築

雷保護ゾーンの概念に基づき、保護対象機器を含む空間をLPZで分割します。適切なゾーンの設定と保護対策を講じることで、建物内の電気・電子機器を安全に保つことができます。

接地及びボンディング

接地極システム(雷電流を地中へ放流)とボンディング回路網(電位差の最小化及び磁界の低減)を組み合わせて、適切な保護を構築します。

磁気遮蔽及び配線経路

磁気遮蔽は、電磁界及び内部誘導サージを低減することができます。また、内部配線の適切な経路を確保することで、内部誘導サージを最小化することが可能です。

SPD(サージ防護デバイス)

雷サージに対する内部システムの保護は、電力線及び通信線の両方に対して、協調の取れたSPDシステムを用いて体系的に対応する必要があります。サージ防護デバイスは、雷サージによる過電圧から機器を保護するための装置です。SPDは、雷サージが侵入すると、機器の耐電圧以下に電圧を抑制し、過剰な電流を接地に流します。弊社では、電力線及び通信線に対応した多様なSPDを取り揃えており、各回路に適切なSPDの提案が可能です。

エースライオンのSPDの特徴

SPD全般の特徴

  • DEHN社製およびサンコーシヤ社製の製品群の技術支援、コンサルティング、設計提案、販売、施工を行います。
  • DEHN社製SPDは、IEC規格適合品であり、JIS C 5381シリーズに準拠した性能を発揮します。
  • 主要な製品は、国際的な認証機関であるKEMAにおいてIEC規格に基づく試験を行い、認証を取得しています。
  • サンコーシヤ社製SPDは、国内の各種回路に適合した製品群を取り揃えています。
  • 電力回路用SPDおよび弱電回路用SPDにおいて、多種類の製品を取り揃えており、多くの回路に適用可能です。
  • 直撃雷に対応した製品群を電力回路用、弱電回路用ともにラインナップしています。直撃雷対応製品は、外部雷保護システムが設置されている建物や多雷地区に最適です。
  • 誘導雷に対応した製品群もラインナップしており、SPDの重要な性能である公称放電電流や電圧防護レベルの性能が従来比で大幅に向上しています。
  • JISで定められているクラスⅠ、クラスⅡ、クラスⅢのSPD間でのエネルギー協調が確実に行われることを適合試験により確認しています。

雷保護ゾーンのコンセプト(SPDの設置場所)

保護すべき空間を雷電流による雷電磁インパルス(Lightning electromagnetic impulse=LEMP)の厳しさによって区分分けし、それぞれの境界を明確にすることを雷保護ゾーン(Lightning Protection Zone=LPZ)と呼びます。それぞれの保護ゾーンの境界面に適したSPDを設置します。それぞれのゾーンは以下のように定義されます。
そして金属配管類はこの境界面でボンディングし、直接ボンディングできない配電線や情報線はSPDを設置して境界面でボンディングします。

図1
領域 説明 具体的場所
LPZ0A 対象物が直撃雷を受けるため全雷電流が流れる領域。ここで減衰しない電磁界が発生する。 建物の屋外で外部雷設備の保護範囲外
LPZ0B 対象物が直撃雷を受けないが電磁界は減衰しない領域。伝搬した減衰しない雷電流及び開閉サージが発生する。 建物の屋外で外部雷設備の保護範囲内
LPZ1 対象物が直撃雷の一部の影響を受ける領域。伝搬したインパルス雷電流及び開閉サージは0A又は0B領域に比べて減少する。 建物の屋内で外部雷設備の保護範囲内
LPZ2 雷インパルス電流の残り又は開閉サージは領域1に比べて減少する。 建物の屋内でシールドされた部屋
LPZ3 雷インパルス電流の残り又は開閉サージは領域2に比べて減少する。 建物の屋内でシールドされた部屋
  • LPZ0AからLPZ1への境界面:LPZ0Aにおいては直撃雷電流10/350μsが流れる。これらの電流を分流させるためクラスⅠのSPDを選定
  • LPZ0BからLPZ1への境界面:LPZ0Bにおいては雷電流によって生じる電磁界が主として存在する。この場合は誘導による8/20μsのサージ電流が流れるのでクラスⅡ又はクラスⅢのSPDを選定
  • LPZ1からLPZ2への境界面:LPZ0からLPZ1への移行による残留過電圧及びLPZ1内の電磁界による影響が存在する。この場合は誘導による8/20μsのサージ電流が流れるのでクラスⅡ又はクラスⅢのSPDを選定

過電圧カテゴリ
(JIS C 60364-4-44抜粋)

低圧電源に接続される機器について、機器が必要なインパルス耐電圧ごとに耐インパルスカテゴリⅠからⅣまでに分類しています。機器の必要な定格インパルス耐電圧を表1に、またカテゴリ分類について表2に示します。電気機器はこの値より小さくならないように選定しなければならないと規定されています。
このように機器の耐インパルスカテゴリを定めることにより、適切なSPDを使用して機器を保護することができます。

表1

 設備の公称電圧  公称電圧に対応し
た線導体と中性線
との間の交流又は
直流電圧の最大値
機器に必要な定格インパルス電圧(kV)
過電圧カテゴリⅣ
(非常に高い定格イン
パルス電圧の機器)
過電圧カテゴリⅢ
(高い定格インパルス
電圧の機器)
過電圧カテゴリⅡ
(標準的な定格イン
パルス電圧の機器)
過電圧カテゴリⅠ
(低減された定格イン
パルス電圧の機器)
(V) (V) 例:電力量計、遠隔制御システム 例:分電盤、スイッチ、コンセント 例:家庭用電化製品、電動工具 例:敏感な電子機器
120/208
100〜200(単相)
150 4 2.5 1.5 0.8
230/400 300 6 4 2.5 1.5
400/690 600 8 6 4 2.5
1000 1000 12 8 6 4
1500d.c 1500d.c 8 6

表2

カテゴリの種類 説明 機器の一例
過電圧カテゴリⅠ 低減された定格インパルス電圧の機器 敏感な電子機器
過電圧カテゴリⅡ 標準的な定格インパルス電圧の機器 家庭用電化製品、電動工具
過電圧カテゴリⅢ 高い定格インパルス電圧の機器 分電盤、スイッチ、コンセント
過電圧カテゴリⅣ 非常に高い定格インパルス電圧の機器 電力量計、遠隔制御システム

JIS C60364-5-53では「SPDの電圧保護レベルUpはインパルス耐電圧カテゴリⅡによって必要なインパルス電圧に従って選定しなければならない」と記載されています。

接地系統の種類
(JIS C 60364-1抜粋)

低圧の配電系統にはいくつかの種類があります。それぞれの系統ごとにSPDの組み合わせが異なるので、SPDを設置する際には配電系統を確認する必要があります。一般的に日本の配電系統はほとんどB種接地とD種接地が異なるTT系統となっています。非接地系統であるIT系統の場合もあります。

文字記号の意味

  • 第一文字 電力系統と大地との関係
    ・T=一点を大地に直接接続する
    ・I=全充電部を大地(接地)から絶縁するか、又は大きいインピーダンスを介して一点を大地に接続する
  • 第二文字 設備の露出導電性部分と大地との関係
    ・T=電力系統の接地とは無関係に、露出導電性部分を大地に直接接地する
    ・N=露出導電性部分を電力系統の接地点へ直接接続する
  • その次の文字(ある場合) 中性線及び保護導体との措置
    ・S=保護導体の機能を中性線又は接地側導体とは別の導体で行う
    ・C=中性線及び保護導体の機能を一つの導体で兼用する(PEN導体)
TT系統

1点だけを直接接地し,かつ,設備の露出導電性部分は,電力供給系統の接地線とは電気的に独立した接地極に接続する。

IT系統

全ての充電部を大地から絶縁するか,又は 1 点をインピーダンスを介して大地へ接続する。電気設備の露出導電性部分を単独若しくは一括して接地する。

TN系統

電源において 1 点を直接接地し,設備の露出導電性部分を保護導体によってその点へ接続する。中性線及び保護導体の配列に応じTN-S接地,TN-C接地,TN-C-S接地の 3 種類がある。

TN-S系統:系統の全体にわたって別個の保護導体を使用する。
TN-C系統:系統の全体にわたって中性線及び保護導体の機能を一つの導体で兼用する。
TN-C-S系統:系統の一部分で中性線及び保護導体の機能を一つの導体で兼用する。

雷電流波形によるエネルギーとSPDの選定
(JIS Z9290-4他)

短時間の雷電流のパラメーターは以下で定義されます。
I: 電流波高値
T1: 規約波頭長
T2: 規約波尾長
波形はT1/T2で表記されます。
直撃雷電流の代表波形である10/350μsと誘導サージ電流の代表波形である8/20μsではエネルギー量に大きな差があります。
SPDはそれぞれ目的の波形に対応したクラスのものを選定する必要があります。

弊社では直撃雷電流に対応したSPDと誘導サージ電流に対応したSPDを各種ラインナップしておりますので最適な雷防護対策をご提案いたします。

図2